March 02, 2008

Academic maturity

今学期の授業の一つ、Seminar on sociocultural theories of languageは、言語やコミュニケーションを社会文化的な視点から研究するいくつかの方法を学びながら、その下敷きになっている言語理論も学ぶコースなんです。Languageを定義してくださいと言われると、rules of grammar in human mind?と思ってしまうチョムスキアンな訓練が下敷きになっている割りに、社会と学習者の関係に興味があるという私にとって、違う理論は刺激になるし考える材料になります。

その読み物の一部が、修士の1学期目に取った社会言語学で読んだ同じ本のチャプター。4年半前に読んだ同じテクスト、4年半前に分からなかったことが分かるんです。しかも、「こういうことが分かっていればあの論文を書くときに役に立ったのに」と思うようなことが多くて、読んでたのに分かっていなかったのが、ただただ惜しい。

1学期目だったその時、かみくだいて書いてあったから意味は分かったのですが、主に吸収できたのは紹介されていた研究の内容ばかりで、どうしてどの研究が紹介されていて、それぞれがどんな理論や手法と結びついていて、研究同士がどんな関係なのか、などなどまでは考えが及ばなかったんですね。

ハウスメートに、「4年半も前に読んでたのに分かってなかったの、私、バカね」とこぼして「でも今はいろいろ分かるんだよ」と言ったら、Academic maturityと言うんだよ、成長したんだね、と励ましてくれました。

ハワイでためこんだ文献、役に立つかなあと思いながら持ってきたもののなかに、先週開いてみたら「わあ、すごい、これぴったり!」と思うものがけっこうあったり。わけが分からなかったクラスの読み物や、人が薦めてくれてコピーを取ったものなんかの価値が今になって分かるんですよね。

すごく勉強になっていいプログラムだわ、と思っていたのは、私の学術的な習熟度や興味が、今のコースなどにぴったりである、ということなのかもしれませんね。

とりあえずは、4年半の間の成長をお祝いしましょうか。

1 comment:

Anonymous said...

学会で司会をする人は、背景・論文の意味をよく理解していますね、それに通じるのかな・・・