May 22, 2008

Advising

大学院生というのを2つの大学で経験して、
いろいろな教授のAdvisingのスタイルに出会った。

論文を書いているときや、研究のデザインを考えているとき
煮詰まったり、考えがまとまらなかったりして会うとき、
親身になって的確なアドバイスしてくれる教授もいるけれど
とんちんかんな返事が来ることもよくある。
どうして「とんちんかん」なのか、考えることがあった。

今学期、授業にゲストとして来た教授、彼女の書いた論文を
クラスで読んだからそのことについて話したり質疑応答を、と
いう形だったんだけど、話題がそれて、ある学生の関心事、
つまり教授にとっては専門分野から外れたことになったの。
教授も、この話題と知ってたら勉強してきたのに、と認めつつ
「こういうことは博士論文の口頭試問なんかでもあるけどね、
予想外の質問は、自分の専門知識の延長において考えて
答えるといいのよ」と示してくれた。
確かに、なるほど、という答えだったけど、やっぱり質問の
趣旨にはあってなかった(笑)。

論文や研究の方向性のAdvisingでも、こういうことが起きて
いるんじゃないかなと思った。
そういえば、相談をもちかけた教授や先輩に、的外れな答え
をもらって、後から、あれ、あの人の専門を適用したんだ、と
思い当たることがよくあった。あの教授、自分の視点ばっかり
押し付けるんだから、とか、先輩、他の見方はできないんだ、
なんて勝手に腹を立ててたりしてた(笑)。

学生の持ってくる分野外の質問に、教授は自分の専門の
延長でどうなるか答える。質問した学生にとっては、考え方が
違うから、とんちんかんに聞こえることもある。でも、その中に、
役に立つ部分もあったりする。答えを消化して、どこまで役に
立って、どこが的外れなのか、どうしてなのか、考えてボール
を返す(キャッチボールのたとえ)のが、いい学生の仕事なん
じゃないかな、と思う。

うまくいったな、と思うAdvisingって、そういう受け止め方を
できて、もう一歩、一緒に考えて、少しでも納得のいく中間点
が見つかったときのような気がする。
そうする中で、学生も、教授の専門を理解しながら、自分の
目の前の目的にあわせて取捨選択する力がつけられて、
教授も、自分の専門を生かしながら、でも対話の中で知識の
幅を広げられるんじゃないかな。

いつでも自分の立場に立ってアドバイスしてくれれば楽だけど
そういうわけにもいかないんだったら、自分の立場は自分で
考えなくちゃね。と、今さらながら考えています。

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